親からの住宅資金の贈与、非課税はいつまで?|1,000万円の条件と契約前の確認
親や祖父母から家づくりの資金の贈与を受けるとき、贈与税が非課税になる特例は、2024年1月1日から2026年12月31日までの間の贈与が対象です(国税庁 No.4508・2026年4月1日現在法令等)。2027年1月以降の贈与がどうなるかは、まだ決まっていません。税制改正の大綱は近年12月に閣議決定されていて、そこで決まります。
書くのは、今の制度の中身と、建てる会社に契約前に確かめることです。非課税の金額、1,000万円になる家の条件、受け取る人と使い方の要件を、国税庁のページで確かめました。個別の税額と適用は、税務署か税理士に確かめてください。
この記事に出てくる専門用語
- 贈与税:お金や物を、もらったときにかかる税金
- 直系尊属:父母や祖父母など、自分より前の世代の直系の親族。配偶者の父母は含まれない
- 非課税の特例:条件を満たすと、決まった金額まで贈与税がかからなくなる制度
- 省エネ等住宅:省エネ・耐震・バリアフリーのいずれかの基準に適合する家。1,000万円の枠になる
- ZEH(ゼッチ)水準:光熱費を抑えやすい省エネ住宅の基準。断熱等級5にあたる水準
- 断熱等性能等級:断熱性能の国の等級。数字が大きいほど高い
- 一次エネルギー消費量等級:家全体の省エネ性能の国の等級
- 耐震等級:地震への強さの国の等級。数字が大きいほど強い
- 構造躯体:柱・梁・壁・床など、建物を支える骨組み
- 免震建築物:地面の揺れを建物に伝えにくくする装置を備えた建物
- 高齢者等配慮対策等級:段差の解消や手すりなど、高齢者への配慮の国の等級
- 住宅性能証明書:住宅の性能が基準に適合していることを証明する書類
- 合計所得金額:1年間の所得を合計した金額
- 税制改正の大綱:政府が毎年12月ごろに決める、翌年度の税制改正の方針
非課税になる金額
非課税の限度額は、贈与を受けた人ごとに、省エネ等住宅なら1,000万円まで、それ以外の住宅なら500万円までです。 国税庁は「贈与を受けた人ごとに省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円まで」と書いています。
- 「省エネ等住宅」は、省エネ・耐震・バリアフリーのいずれかの基準に適合する家で、「住宅性能証明書など一定の書類」を贈与税の申告書に添付して証明したものをいいます。基準に当たる家でも、書類で証明できなければ、1,000万円の枠にはなりません
- すでにこの特例で非課税になった金額がある場合は、その金額を引いた残りが限度額になります(一定の場合を除く)
出典:国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
1,000万円の枠になる新築の条件
新築の家は、省エネ・耐震・バリアフリーのどれか1つの基準に適合すれば、1,000万円の枠になります。
- 断熱等性能等級は、結露の発生を防止する対策に関する基準を除きます。等級5は、ZEH水準にあたる断熱性能です
- 耐震等級は、構造躯体の倒壊等防止の等級です。免震建築物も基準に当たります
- 高齢者等配慮対策等級は、専用部分の等級です
- 建築後使用されたことのない家(建売など)も、新築と同じ基準です。中古住宅と増改築は基準が違うので、国税庁のページで確かめてください
- 2023年12月31日までに建築確認を受けた家と、2024年6月30日までに建築された家は、断熱等性能等級4以上、または一次エネルギー消費量等級4以上でも、省エネ等住宅とみなされます
どの基準で1,000万円の枠に届くかは、建てる会社の標準仕様で変わります。等級の見方は、断熱等級・省エネ性能の見方と耐震等級の見方にまとめています。
等級4の家で、贈与のほかに控除・補助金が2027年からどう変わるかは、省エネ基準ぎりぎりの家は2027年から何が変わる?に。
出典:国税庁 No.4508
受け取る人と使い方の要件
受け取る人の年齢と所得、前に使ったことがないか、お金の使い方、期限、申告の手続きなど、国税庁が挙げる要件をすべて満たすと、非課税になります。
- 贈与をする人:父母や祖父母などの直系尊属です。「配偶者の父母(または祖父母)は直系尊属には該当しません」。養子縁組をしている場合は当たります
- 受け取る人の年齢:贈与を受けた年の1月1日に、18歳以上です
- 受け取る人の所得:贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下です。床面積が40㎡以上50㎡未満の家は、1,000万円以下です
- 前に使ったことがないか:2009年分から2023年分までの贈与税の申告で、この非課税の特例を受けたことがないことが要件です(一定の場合を除く)
- 家の広さ:登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下で、床面積の2分の1以上が自分の居住用です
- 取引の相手:配偶者や親族など、特別の関係がある人から家を取得したり、その人との請負契約で新築したりしたものではありません
- お金の使い方と期限:「贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること」です。その家屋を所有することにならない場合は、特例を受けられません
- 住所:贈与を受けた時に、日本国内に住所があることが要件です(一定の場合を除く)
- 居住:翌年3月15日までに居住するか、その後遅滞なく居住することが確実と見込まれることが要件です。「贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していないときは、原則としてこの特例の適用を受けることはできません」
- 申告:「贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間」に、特例を受ける旨を書いた贈与税の申告書に、戸籍の謄本や新築の契約書の写しなどを添えて、税務署に出します。非課税になる場合も、この申告書が必要です
出典:国税庁 No.4508
2027年以降の見通し
2027年1月以降の贈与がどうなるかは、決まっていません。
- 今の特例の対象は、2026年12月31日までの贈与です(国税庁)
- 国土交通省は、2027年度の税制改正要望に、この特例の項目を出しています。項目名は「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等に係る所要の措置」で、内容は「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等について、必要な検討を行い、所要の措置を講じる」です。財務省のページは、2026年8月31日時点の要望としています
- 税制改正の大綱は、2024年度が2023年12月22日、2025年度が2024年12月27日、2026年度が2025年12月26日に閣議決定されました。2027年度の大綱の日付は、この記事を書いた時点で分かりません
ここに書けるのは、要望が出ていることと、大綱が12月ごろに出ることまでです。 延長されるか、金額や条件が変わるかは、書きません。
出典:財務省 2027年度税制改正要望(国土交通省)・財務省 2027年度税制改正要望・2026年度税制改正の大綱・2025年度・2024年度
住宅の会社に契約前に確かめること
1,000万円の枠に届くかは、建てる会社の標準仕様で決まります。契約の前に、書面で確かめてください。
- 標準仕様の等級:断熱等性能等級、一次エネルギー消費量等級、耐震等級の数字を聞きます。「断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上」「耐震等級2以上」などのどれで届くかが分かります
- 証明の書類:国税庁が書く「住宅性能証明書など一定の書類」を出せるかを聞きます。出せる場合は、費用と、出る時期も聞きます。「等級3相当」のような会社の自己表示と、評価を受けた等級は別です
- 引き渡しの時期:贈与を受けた年の翌年3月15日までに、資金の全額を新築などに充てます。引き渡しの予定日が、この日と合うかを確かめます
- 申告に使う書類:新築の契約書の写しなどを、申告書に添えます。契約書や見積書の写しを、すぐ出せるかを聞きます
実際にどれくらいの人が使っているか
住宅生産団体連合会(住団連)の「2025年度 戸建注文住宅の顧客実態調査」(2026年10月15日公表)に、贈与の数字があります。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 贈与ありの割合 | 13.6% |
| 贈与額の平均(「贈与あり」のみ) | 1,111万円 |
| 贈与に係る特例制度の適用(複数回答)で「住宅取得資金に係る贈与税非課税」 | 83.0% |
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贈与ありの割合
- 数字
- 13.6%
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贈与額の平均(「贈与あり」のみ)
- 数字
- 1,111万円
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贈与に係る特例制度の適用(複数回答)で「住宅取得資金に係る贈与税非課税」
- 数字
- 83.0%
この数字は、全国の住宅取得者の割合ではありません。
- 調査票を書くのは、顧客ではなく、住宅メーカーの営業担当者です
- 対象は、主要都市圏の戸建注文住宅です
- 有効回答2,709件のうち、94.5%(2,560件)が住団連の企業会員の回答です
出典:住団連 戸建注文住宅の顧客実態調査・同 結果の要約及び考察(PDF)
この記事を、いつ見直すか
2027年度の税制改正の大綱が出たときです(近年12月)。 延長・変更・終了のどれでも、同じURLでこの記事を書き直します。
補助金と住宅ローン控除は、注文住宅で使える補助金・住宅ローン控除まとめにまとめています。
この記事の作り方:2026年10月23日に、国税庁のタックスアンサー、財務省の税制改正要望と大綱、住団連の調査報告を開いて確かめました。口コミや報道の転載は使っていません。